3月末、ファミリーマートは今月から全国で販売を始めたプライベートブランド女性用下着で、色の表記で不適切な表現があったとして、自主回収したと明らかにしました。
商品は「はだいろ」と記しており、人種や個人などで肌の色が異なるのに、特定の色を「はだいろ」とすることは不適切だと指摘する声が社員や加盟店から寄せられたといいます。
・ 肌色 → ベージュ
また、東京ディズニーランドと東京ディズニーシー、園内アナウンスの「Ladies and Gentlemen, Boys and Girls」という文言を「Hello Everyone」などに変更。性別を特定しない文言に変更し、性的マイノリティーの来園者などにも配慮した表現になりました。
・ Ladies and Gentlemen, Boys and Girls → Hello Everyone
同様に、昨年10月にはJALが機内や空港で使用していた「ladies and gentlemen(レディース・アンド・ジェントルメン)」の英語アナウンスを廃止し「all passengers(オール・パッセンジャーズ)」「everyone(エブリワン)」などジェンダーに中立的な表現に変更しました。
・ Ladies and Gentlemen → all passengers, everyone
この他、性的嗜好の差別、親の上下関係を想起させる言葉や、同性カップルや家族の多様性を反映した言葉も変化しています。
・ 彼氏、彼女 → パートナー
・ 主人、旦那 → パートナー (たまひよクラブ)
・ お母さんの子育て → あなたの子育て (兵庫県伊丹市、表現のガイドラインより)
・ 内助の功 → よきパートナー (兵庫県伊丹市、表現のガイドラインより)
ポリコレは、もともとは、1980年代に多民族国家であるアメリカ合衆国で始まった概念であり、これが世界中に広がり、各国での表現の言いかえや訂正につながっています。
近年では、政治的立場で区別する目的以外で、容姿、職業、性癖、健康や障害、年齢、婚姻状況などに関する社会的な差別・偏見が含まれないような、公正・公平な表現や用語を使うことが推奨されています。
歴史をたどるとアメリカの人種・民族を表す言葉の訂正がわかりやすく、アフリカ系アメリカ人が、黒人を表す「Black」から「African American」に置き換えられ、アメリカ州の先住民は、本来インド人を意味する「Indian」から「Native American」「First Nation」という表現に訂正されたことはみなさんも記憶にあると思います。
・ Black → African American
・ Indian → Native American
その他にも職業が女性差別的であり、ポリコレに反するとして色々な言葉が変化しています。
・ Chairman(議長)→ Chairperson
・ Policeman(警察官)→ Police officer
・ Cameraman(写真家)→ Photographer
・ 看護婦 → 看護師
・ スチュワーデス → 客室乗務員
「だから女はダメなんだ」「男のくせになさけない」などの表現が問題として取り上げられるのも、このポリコレの考えの広まりが背景にあるといえます。