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これから社外取締役をやりたい人に必要なスキル
2021.09.28
今必要な危機管理広報・危機管理広報
[vc_row][vc_column][vc_column_text]最近、本業の傍ら大学の非常勤講師をやっている友人や新聞社のベテラン記者といった方から「社外取締役に必要なスキルが習得できる」研修プログラムを作れないか?と相談をいただくようになりました。
今年6月に改定されたコーポレートガバナンスコードで、取締役の3分の1以上を独立社外取締役とするように求められることになったこと。これにより社外取が1000人以上不足すると報道されていること。企業に人材の多様性を確保するように求められていること。
こうした背景から女性や外国人なども登用のチャンスが増え、「社外取」をキャリアの選択肢として考える方が増えているようです。
私が代表を務める協会の関係者も、多くの理事や講師が、女性を初めいろんなバックグラウンドを持つ方が企業の「社外取」を兼務しています。
では「社外取」にはどのようなスキルが必要でしょうか?
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「社外取」に就任するリスク
[/vc_column_text][vc_column_text]まずはじめに「社外取」に就任するリスクについて考えたいと思います。
会社で何か不祥事が起こったり、大損失を出したときは、社内の常勤取締役と同じように「社外取」は社内取締役と同様の責任を負わなくてはいけないリスクがあります。
このリスクに対し、通常は無限に責任を負うことを防ぐために「責任限定契約」という契約を締結します。損害賠償責任を負う限度額は、次の2つのうちいずれか高い額であると定められています。
- 定款で定められた金額
- 会社法第 425 条第 1 項に定める最低責任限度額(おおむね年間報酬額の2倍程度)
「責任限定契約」を締結しても万が一何かあったときに、数百万円から数千万円負担することになります。
「社外取」を受けるということはそれだけ責任が重いので、引き受ける会社は厳選することとそれなりの覚悟が必要です。[/vc_column_text][vc_column_text]
「社外取」はステークホルダーの代弁者
[/vc_column_text][vc_column_text]「社外取」は、企業の不祥事を防止するためのリスク管理が出来るよう、外部からステークホルダーの代弁者として位置づけられ、経営陣に「ステークホルダー目線を意識させる」役割を担うという一面を持っています。
企業不祥事の本質はレピュテーションリスクにあります。
レピュテーションが失墜すると株価が下がり、不祥事に厳しい機関投資家などが離れます。株価の低迷が長期化し、消費者のイメージが悪化して顧客離れにより売上が落ちます。取引先の信用も失われます。経営陣に対する信頼感が低下し、働く従業員意欲が失われ生産性も落ちてきます。さらに優秀な学生や人材から就職先として敬遠されていくという、負のスパイラルに陥るからです。
このような観点から「社外取」には、個人の専門領域の強みを生かしつつ、リスクコミュニケーションの視点から必要な共通スキルは以下になると考えます。
- 日々変化する企業を取り巻くリスクトレンドの潮流をキャッチする
- 経営への理解をした上で、疑問を持ったら質問できる
- ビジネスリスクについて経営陣と徹底して議論する
- 指摘にとどまらず、目的思考で改善点を提案する
- 現場にいる社員とも、インタラクティブなコミュニケーションを図る
- 有事に備え、外部の有識者や実務者を紹介できるネットワーク
- 有事の際(レピュテーションリスクが顕在化)、被害を最小限にするために対応のサポートをする
グローバル視点ではSDGsやESG投資といった事業を通して社会課題の解決を図ることが求められ、「人権デューデリ*」など日々変化する企業を取り巻くリスクトレンドの潮流をキャッチすることは、経営のサポートに欠かせません。
*「人権デューデリ」についてはこちら
リスクトレンド最前線_SDGs時代に後れを取りたくない経営者と広報担当が理解しておきたい「人権デューデリ」
企業不祥事の対応について、不正会計や品質不正に関する第三者委員会の調査報告書でよく目にする再発防止策として「研修によるコンプライアンス意識の向上」や「内部通報制度の充実」といった内容があります。
しかし、もし法令遵守のルールベースでこれらの施策を行った場合、現場にはやらされ感が蔓延し、これらの施策は管理のための管理となってしまいあまり効果が望めないリスクがあります。
有効なリスク管理を行うためにはルールベースではなく、プリンシプルベース(原理原則を明確に示すが、細かいルールまでは定めず、どのように行動するかは現場の判断に任せる考え方のこと)の方がよりサポートになるでしょう。そのためには現場にいる社員ともインタラクティブなコミュニケーションを図り、現場の声を元にビジネスリスクについて経営陣と徹底して議論することが大切です。
また万が一の時は、レピュテーションリスクの被害を最小限にするために、危機に対し対峙しこれを克服するサポートし、企業体質を強化する手助けをすることも必要だと思います。[/vc_column_text][vc_column_text]
リスクはチャンス
[/vc_column_text][vc_column_text]変化の激しい現代で、企業を取り巻くリスクは日々めまぐるしいスピードで変わり、新しいリスクが発生し続けています。リスク管理を避けていたら企業の発展はありません。リスクはチャンスです。
企業の持続的成長のためにリスク管理は不可欠であり、リスク管理の仕組みがしっかりすれば経営陣は安心してリスクにチャレンジでき、テイクリスクの後押しが可能になります。
企業価値は様々なステークホルダーによるレピューテーションの集積で形成されています。レピュテーションリスクから企業を守るために、外部からステークホルダーの代弁者として働きかけができるスキルを、今後「社外取」をやってみたい方がリスクコミュニケーションのスキルを身につけられることを願っています。[/vc_column_text][vc_separator][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text][/vc_column_text][vc_column_text]レイザーは、お客様の課題やご要望をヒアリングし、必要に応じて現状分析からリスクマネジメント、体制構築、危機管理広報から危機対応まで業務全般の支援をしています。エンタープライズリスクコミュニケーション、戦略的コミュニケーション施策のご相談はレイザーまでお問い合わせください。
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