ニューヨークに拠点を置くデジタルマーケティング会社のEvolveMKDは、市場調査会社のイプソスと提携して、メディアの信頼性とニュースに対する認識調査「Evolution of Communication」を実施しました。この調査は、米国の消費者1,000人とメディア関係者500人を対象にオンラインで行われました。
この調査により、メディアが果たす役割や正当性について、消費者とメディアの意見が一致していないことが明らかになりました。消費者の40%近くが、メディアはニュースを報道するよりも娯楽を作り出すことに重点を置いていると回答し、また半数近くの消費者がメディアには意図があると考え(45%)、41%がメディアの報道には偏りがあると考えています。
これらの調査結果から、消費者がメディアをどのように見ているかということが明らかになりました。
興味深いのは、メディアは視聴者が自分たちを信頼していないことに気づいていないという点です。
視聴者が自分たちをどのように表現するかという質問に対して、メディアは「信頼できる」「信用できる」「本物だ」「真実だ」といった言葉を選んでいますが、消費者からの回答は、メディアは「偏向的」「政治的」「欺瞞的」であるというものでした。
また、若いアメリカ人(18歳~44歳)は、年配者(45歳以上)に比べて、メディアをより重要視する傾向があることがわかりました。これはソーシャルメディアの普及が影響を与えていると考えられます。
メディアは信頼性が求められていますが、この調査からそのような価値が失われつつあるように考えられます。
企業のコミュニケーション担当者や広報担当者は、このような状況に対処するために、メディアと協力し、信頼性のギャップを埋めて、視聴者がメディアについてどのように感じているかを考慮する必要があります。視聴者は懐疑的であり、時には反感を持つこともあるため対策が必要です。
さらに、インフルエンサーやポッドキャスト、オウンドメディアチャンネルなど、メディアの別の出口を探し続けることが重要です。これらのメディアは、視聴者との距離が近く、よりリアルな情報を提供することができます。そのため、PR業界はこれらのメディアを利用し、視聴者とより密接な関係を築くことが必要です。
総じて、ニュースメディアとPR業界の関係は依然として重要ですが、視聴者の信頼を得るためには、より多様なメディアチャンネルを利用する必要があります。そして、そのメディアチャンネルに対しても、信頼性や本物であることを求めていくことが求められます。
参照元:EvolveMKD Unveils the Evolution of Communication: From "Fake News" to "News You Can Use"