テスラは、自動運転機能に衝突のリスクがあるとして、フル自動運転ベータ版ソフトウェアを搭載した36万台以上の車両をリコールすると、2月16日にワシントンポスト紙が報じた。
政府当局によると、テスラの運転支援パッケージの一部であるソフトウェアが、交差点での停止、黄色信号での適切な注意、停止標識での完全停止、掲示速度制限の遵守に失敗したため、リコールされることになったという。同社は、過去のリコールと同様に、問題を改善するためのリモートアップデートを送信するとしている。
今回は、これまでで最も広範なリコールとなる。
リコールは、米国道路交通安全局のウェブサイトに掲載され、2016年にさかのぼるテスラモデルを含む362,758台に影響する。
【米国道路交通安全局の掲載文】
"FSDベータ・システムにより、交差点付近で、旋回専用車線を走行中に交差点を直進したり、完全に停止することなく停止信号制御の交差点に進入したり、黄色の定常信号中に十分に注意せずに交差点に進入するなど、車両が危険な行動を取る可能性があります "と米国道路交通安全局は書簡に記しています。
"システムは、掲示制限速度の変化に十分に反応しないか、または運転者が掲示制限速度を超えるように車両の速度を調整することを十分に考慮しない可能性があります。"
テスラのイーロン・マスクCEOは、Twitterでソフトウェア更新を表す「リコール」という言葉の使用に対して不快感を示した。
Definitely. The word “recall” for an over-the-air software update is anachronistic and just flat wrong!
— Elon Musk (@elonmusk) February 16, 2023
ソフトウェア更新に「リコール」という言葉は時代錯誤であり、全くもって間違っている
このニュースが発表された後、テスラの株価は5.7%下落しました。
この問題は、コミュニケーション部門の重要性を再認識させるものとなっていると考えます。
危機に直面したとき、リコールであるかアップデートであるかは問題ではなく、車が危険な挙動を示し、ドライバーだけでなく一般の人々も危険にさらされることが懸念されるため、適切なコミュニケーションが必要になります。
テスラは2020年にPR部門を解散したことが知られています。
もちろんマスク氏がテスラのスポークスパーソンになることもできますが、今のところ彼はこの問題に関して、用語に関する不満以外に何のコメントも出していません。広報担当者の存在がなぜ重要なのかを今一度認識させるものとなったのではないでしょうか。